破れ修理

パステルミンクの破れ修理

パステルミンクのブルゾンです。ミンクを約4cm四方にカットし、間にレザーを挟み込んで縫い合わせ、菱(◆)柄の模様を見せています。穴が開いているのは一枡の部分だけですが、周囲も広範囲に収縮しているのが分かります。

本来毛皮は 氷点下等の場合、雪などにはあまり心配する必要がないのですが、それは毛の部分であり 根元の皮部分まで浸透するような水分は大敵です。今回のようなナチュラルパステルミンクの場合、皮まで水気が浸透し水分を含んだまま放置、又は強制的に熱で乾燥すると、火傷をしたような状態になります。この場合その部分はどんな方法を持ってもほぼ修復不能です。今回の場合は挟んであるレザーが染色されたピッグスキン(豚革)だったのでそれを境に水分の浸透がこの程度で済んだようです。今回のような場合は、部分的に毛皮を交換する他方法がありません。

全く同じ色に合わせるのはほぼ無理で、色に差が出てしまう場合がほとんどですが、お直しする毛皮の製造年代と修理に使用する毛皮の経過年数が異なりますので退色したものなどリサイクル毛皮を使用する場合もございます。細い豚革部分のレザーテープは補強しそのまま使用しました。破れや破損してしまった場合の修理は、発見したらなるべく早めにご相談ください。

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