コート

MAX MARA 縮んでしまったミンクを交換

クリーニング店様からのご依頼で、MAX MARA 社のカシミアのコートですが、スチームアイロンでの仕上げの時に、蒸気が毛皮の皮部分にかかってしまい一瞬でこのように縮んでしまったそうです。毛皮自体、熱にはそれほど弱くはありませんが、それが水分を含んでいれば別です。蒸気によって縮んでしまう仕組みは詳しく説明できませんが、とにかく火や蒸気、スチームには気をつけなければなりませんし、湿気も要注意です。

右半分のみだと言うことですのでまず裏を外して、損傷を受けた毛皮の裏を確認して見ます。毛皮右半分を綺麗に外します。後の作業をスムーズかつ綺麗に仕上げるためにはもうこの段階から気を使って作業に入ります。

縮んでいる部分の裏ですが右下画像のようにキュッと縮んでしまっています。硬くなっており、まるでスルメのようでした。裾から3分の1くらいは蒸気がかかったようです。この場合毛皮自体がもはや修復不可能ですので。右側半分を交換するしかありません。

こういった部分交換の時に心配なのは、交換した右側が左半分と比べて不自然にならないか?色が揃うか?等、、、
これは茶系ミンクのマホガニーミンクですが、ナチュラルカラー(染色ではない)の中から同じ色、毛質のミンクを探すのはまず不可能に近いので、より多くの数のミンクの中から一番近いものを探す他ありません。それさえ上手く探せればあとは、ミンクをもとと同じようにレットアウトという方法で斜めにカットして、ずらしながら縫い合わせ必要な長さまで伸ばしていきます。あとは本体からきちんと型を取りその通りの形になるように皮に水分を含ませ板に張りつけます。

元々別々のミンク同士が隣り合ってますので違和感は無いですし、色もほとんどあってますね。簡単に言うと襟から前立て部分の交換になりますが、作業の工程はかなり複雑で普通のリフォーム店さんではお手上げですね。
前から想像付かないほどすっきり綺麗に仕上がりました。何事も無かったかのようです。

同じような事例で、毛皮が縮んでしまった等、お困りのことがありましたら是非お問い合わせください。お役に立てるかもしれません。

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