フードファーの交換ガイドブック

「高級ダウンアイテム」はお手入れが大事

高級と言われる「ダウンジャケット」や「ダウンコート」は様々ありますが、
それらには上質な素材が使用され、丁寧な縫製が施されています。
そのため、メンテナンス次第で長い年月を経てもご愛用いただけます。
しかし、いくら丈夫なウェアでも経年劣化は起こり、
メンテナンスを怠ればたちまち劣化は進みます。
中でも特に劣化しやすいのが「フードファー」です。
交換や新規製作は可能ですが、さて方法は?素材は?修理代は?etc…
このページでは「フードファーの交換や修理」にスポットを当て、
メンテナンス時の悩み事や手順についてご案内いたします。


フードファーの装着方式を確かめる

おもに「脱着タイプ」と「縫い付けタイプ」の2種類となります。
ファー交換を機会に「縫い付けタイプ」から「脱着タイプ」に
変更することも一つのアイデアです。


劣化や破損の程度を確かめる

購入後10年も経てば、皮や毛の部分は明らかに劣化が目立ってきます。
ウェア全体の劣化の度合いをよく観察し、
毛抜け・汚れ・臭い・色褪せが顕著な場合は
そろそろメンテナンスの時期です。
下記の画像を参考にして、早目に交換リフォームを検討しましょう。

◆破損や劣化の状態◆

画像は交換のため取り外した毛皮です。一見、表から見ては分かりませんが、毛がごっそり抜けた場合など、劣化や硬化が原因で皮が破れている事がよくあります。おそらく、誤った洗濯により皮(地肌)部分が濡れて、そのまま乾燥し硬化したものと思われます。このような場合は、交換か新規製作以外に解決の方法は有りません。

破損した状態のフード下地と欠損部分

一部分の毛が無くなったり、皮ごと取れてきたり。


よくあるフード交換時の失敗例 Q&A !?

フードファーの交換は、一見簡単そうに感じるため、
市販パーツを購入して自分で修理しようと考える方もおられます。
ここでは、その際に陥りやすい失敗例をQ&A形式でご紹介します。

Q:パーツとして市販されているみたいけど?

A:ネットなどでは様々な市販のパーツが販売されています。しかし、ご自身のウェアにマッチしたパーツを見つけることは意外と難しく、特に安価なパーツには粗悪なものが多く見受けられます。また購入の際は「パーツのサイズ」や「取り付け加工」についても注意が必要です。

Q:自分で取り付けることはできないの?

A:取り付けにはほとんどの場合「パーツの加工」が必要となります。また、高級ウェアに見合った仕上がりにするには「専門的な知識」と「縫製技術」が必要となりますので、特に見栄えや耐久性を重視する方には自作はお勧めできません。

Q:市販パーツを購入したんだけど・・・

A:価格にもよりますが、実際に手にしてみると「思ったよりボリュームに欠ける」・「毛並みが悪い」・「毛の長さがバラバラだ」・「ハギ合わせが多く左右のバランスも悪い」・「加工が大変そう」etc… パーツの購入で陥る失敗のほとんどがそのようなものです。
当店にも、そうした理由から取り付けをあきらめたユーザーからのご相談がとても多く寄せられます。特に高級アイテムの場合は、絶対的に「仕上がり」や「耐久性」が重視されますので、自作は極力避け、まずは専門店にご相談されることをお勧めします。


お困りの際は当店にご相談ください!

当店ではこれまでに、様々なフードファーの交換や修理に関するご相談に対応してまいりました。その経験から、様々なご要望にお応えできる準備を整えております。お品物の状態や仕様等を細部まで確認させていただき、ご希望とご予算に合った最適なプランをご提案いたします。


製作にあたっての取り組み

「ボリューム感」と「左右のバランス」を重視

左右対称の見た目とボリュームを保つことを最大限考慮し、下記のような原料のブロック(区画)から、最適な裁断・縫い合わせをしています。お客様からは、左右の見た目はもちろん、ボリューム感には大変ご満足いただいています。当店では厳選した「上質な素材」のみを使用しますので安心してお任せください。


交換用ファーの「製作工程」

① 取り外し後の劣化したファーです。よく見ると縦と斜めに何箇所かにハギ目があるのが分かります。
② 交換用として新たに製作したファーです。4等分したものを3箇所で縫い合わせています。
③ 完成したボリュームたっぷりの「交換用ファー」です。


素材の「裁断工程」


フードファー交換のご依頼について

ボタンやファスナーでフードから取り外しができる場合は、ファー部分のみをお送りいただき、縫い付けてあるタイプはジャケット、コート本体ごとお送りください。(送料はご負担ください。)

※お見積もりの際の「使用分量計測」はこちらのページを参考にしてください。

過去の新規製作、交換例は、コチラからご覧ください。

 


料金について

品物の状態、使用する素材により様々ですので、当店では一律の料金表は提示しておりません。お見積金額にご了承頂いてから作業を進めさせていただきます。

過去の製作例からの参考料金

カナダグース 28,000円~(税別)コヨーテ使用
ピレネックス 33,000円~(税別)ラクーン使用
N-2B N-3B  40,000円~(税別)コヨーテ使用


パーツの再利用について(取り外し可能なタイプ)

下記のパーツ類などは出来るだけ再利用させていただきます。

「布地」

「ファスナー」

「オリジナルブランド刻印入りスナップボタン」など


当社で製作交換可能なメーカーは?

下記メーカー製品をはじめ、同様デザインの製品であれば
ほとんどの場合、製作・交換が可能です。

CANADA GOOSE「カナダグース」
WOOL RICH 「ウールリッチ」
PYRENEX「ピレネックス」
MONCLER「モンクレール」
BURBERRY「バーバリー」
N-2B・N-3B・M-65TYPE 等のミリタリージャケット
その他 フードファーの付いたダウンジャケットやコート


ボリュームアップリフォーム

ウェアのフード毛皮をさらに豪華にボリュームアップしたい!
そうしたご依頼も承っております。


素材持ち込み時のご注意

持ち込み素材による製作加工も承っておりますが、分量不足等で製作不可能な場合もありますので、カット売りされているファーをご購入される際はくれぐれもご注意ください。

過去の新規製作、交換例は、コチラからご覧ください。


主に使用されるファーの種類

当店がおもに取り扱うファー素材です。
どれもボリュームやエレガントさが際立つ素材です。
それらの使用メーカーや特徴を交えてご紹介します。

コヨーテ(北米産)

特徴:野性味あふれるルックスとボリューム
主な使用メーカー:カナダグース

ラクーン(北欧産)

特徴:ボリュームや豪華さ
主な使用メーカー:ピレネックス・モンクレール

シルバーフォックス(北欧産)

特徴:高級感漂うシックな雰囲気

アイランドフォックス(北欧産)

特徴:可愛らしくエレガントなルックス